薬剤師が関わる仕事の種類と仕事の内容|これを読んであなたの薬剤師としてのキャリアをイメージしよう

薬剤師

薬剤師の仕事と聞くと先ず調剤薬局の薬剤師が思い浮かぶかもしれません。
「薬局で患者さんから処方せんを受け取り、薬を揃えて服薬指導をする」というイメージが強いかもしれません。

もちろんその仕事もありますが、薬剤師として働く場所は実は薬局だけではなく、まだまだたくさんの仕事があります。

今回の記事では、薬剤師として働くイメージをはっきりさせてもらうべく、薬剤師が関わる仕事について紹介していきます。
この記事を読んであなたの薬剤師としてのキャリアをさらにブラッシュアップしていきましょう。

薬剤師として働く職場やお仕事内容の統計情報

薬剤師の働き方

薬剤師統計概要をご覧ください。

薬局の従事者58.7%
医療施設の従事者(病院、診療所を含む)19.1%
医薬品関係企業(メーカーの他原料製造、店舗販売、卸、配置販売含む)の従事者12.1%
衛生行政機関又は保健衛生施設の従事者2.1%
薬剤師統計概要(2020年)

上記の薬剤師統計概要では6割近い薬剤師が何らかの形で薬局に関連のある仕事をしています。
残りの4割は薬局から離れ様々な場所で活躍しています。では実際にはどのような分野で働いているのでしょうか?

前述した統計によれば、薬剤師の就業先は以下の通りです。

・調剤薬局
・ドラッグストア
・病院
・企業

・行政機関
・保健衛生施設
・老人介護保険施設

ではこれから薬剤師の免許を持っている、は取ろうと考えている皆さんに、薬剤師にはどのような活躍の場があるのか、以下の順で説明していきます。

本稿が皆様のキャリアプラン策定の一助になれば幸いです。

調剤薬局|薬剤師として働く業務内容

薬剤師として調剤薬局で働く

まずは薬剤師としても多くの人が働いている調剤薬局について紹介します。
一般的には調剤薬局の薬剤師は以下の業務を日々こなしています。

・処方せんチェック及び疑義照会
・調剤
・監査
・服薬指導
・薬歴の記載と管理
・その他の仕事(在宅医療、学校薬剤師)

処方せんチェック及び疑義照会

まず患者さんから処方せんを受け取ります。

預かった処方せんが決められたルールに従って記載されているか、処方内容が適切か、患者さんから聞き取った状況、併用状況、残薬等も踏まえて検討します。

問題があれば処方医に連絡(疑義照会)し、処方変更や処方内容の見直しを行います。

医師に対して意見をするのが嫌な薬剤師も多いらしく、なかなか疑義紹介がしにくいという声も聴きますが、薬剤師としてとても重要な仕事です。

調剤

処方内容に基づき、軟膏の混合、水剤の調製、計数等を行います。

誤調剤は患者さんに健康被害をもたらす事に繫がるので正確さ、緻密さが求められます。
特に、小児用の薬剤を調剤する際には、命取りになるケースもありますのでかなりの注意が必要です。

実際に起きた調剤ミスについてまとめた事例集もご覧ください。
薬剤の誤投与に係る死亡事例の分析

監査

調剤された薬剤が疑義照会の済んだ処方せんと相違が無い事を確認します。

また、患者さんの症状やアレルギー歴、副作用歴から投与しても問題ない薬かどうかもチェックします。
喘息患者に対してある目薬を使うと、気管が閉塞し呼吸困難・喘息悪化のケースがあり十分な監査が必要です。

卵アレルギー患者がある注射を使うと、卵成分と反応しアレルギー症状を引き起こすケースもあることから、幅広い知識が求められています。

服薬指導

患者さんに薬剤を交付し、用法、効能、効果、副作用等を文書を以て説明します。

併せて患者さんが抱えている問題や担当医に伝えられなかった事等があれば耳を傾け、整理、助言をし、必要に応じて担当医に連絡するなど改善に導く努力をすることも求められます。

薬歴の記載と管理

患者さんさんから聞き取った問題点、体調の変化、服薬/残薬状況、併用状況や服薬指導の内容等定められた内容を記録します。併せて次回来局時に確認、対応すべき事があれば申し送りとして記載します。

在宅医療への貢献

在宅薬剤師

近年、医療や介護が必要になってもできる限り住み慣れた地域で過ごせるよう国を挙げて在宅医療が推進されています。
その中で薬剤師が果たす役割に対しても年々期待が高まってきており、また調剤報酬への優遇措置も設けられている事から、真剣に訪問薬剤指導に取り組んでいる薬局は増えています。

薬剤師の在宅医療関連業務は以下の通りです。

・患家への医薬品・衛生材料の供給
・供給後の保管状況把握と指導
・患者さんの状態に応じた調剤(一包化、簡易懸濁法、無菌調剤等)
・薬剤服用歴管理(例えば相互作用、副作用歴)
・服薬状況の把握
・有害事象/副作用等の観察
・残薬の管理
・医療用麻薬(廃棄含む)
・在宅担当医への処方提案等
・ケアマネジャー等の医療福祉関係者との連携

残念ながら今まで在宅医療における薬剤師の果たす役割について社会全体の認識が薄かった面もありますが、多くの薬剤師の熱心な取り組みによってその状況は改善されつつあります。

将来皆さんも是非この分野に関心を持ち貢献頂ければと思います。

学校薬剤師

学校薬剤師は、学校保健安全法に基づき大学以外の学校と認定こども園への配置が定められています。

主な業務は以下の通りです。

・学校保健計画の策定
・上記計画に基づく学校環境衛生検査(教室の換気/彩光/照明、飲料水/プールの水質、ネズミ/衛生害虫等)
・学校が保管する薬品/医薬品(保健室の医薬品、実験室の薬品、プール消毒液など)の使用及び保管に関する指導/助言
・「医薬品の正しい使い方」の授業への参画

なお、学校薬剤師として採用されるケースは殆どなく、大多数は薬局や病院に勤務している薬剤師が兼任しています。

調剤薬局に勤務しているともしかしたら学校薬剤師の活動を間近に見る機会があるかもしれません。

以上のように学校薬剤師や在宅医療への取り組みの他にも、薬局によって取り扱う薬の種類や求められる調剤技術、知識は異なるので、勤務先を選ぶ際には、自分の知識や技能、志向、人生設計などを考慮して決めると良いでしょう。

ドラッグストア|薬剤師として働く業務内容

ドラッグストアには大きく分けて「調剤薬局を併設していない」場合と「調剤併設型」があります。

調剤併設型の調剤薬局業務については調剤薬局のパートををご参照ください。

主な業務は以下の通りです。

・市販薬、医薬部外品等医薬品の販売
・健康相談

市販薬医薬部外品等医薬品の販売

ドラッグストアで働く薬剤師には医薬品だけでなく、市販薬や医薬部外品の知識が求められます。

「要指導医薬品」と「第一類医薬品」(下表参照)の販売及び説明は薬剤師にしか許されていないので、ドラッグストアでは薬剤師の資格が最も活かされる業務となります。

市販薬の分類

OTC医薬品分類対応する有資格者購入者への説明購入者からの相談対応インターネット販売の可否
要指導医薬品薬剤師対面かつ書面での情報提供(義務)義務不可
一般用医薬品第1類医薬品薬剤師書面での情報提供(義務)
第2類医薬品薬剤師または登録販売者努力義務
第3類医薬品規定なし

健康相談

お客様が使用している処方薬の他、市販薬、サプリメント、健康食品、化粧品、殺虫剤など広範な知識や情報に基づき総合的な助言ができます。

接客、商品の陳列、在庫管理、レジ打ち、更には売り場設営や清掃など薬剤師業務と直接関係ない仕事を命じられることもあります。

このように調剤薬局では得難い知識や経験を積み服薬指導に役立てることもできますが、調剤併設型店舗で且つ応需枚数が多い場合は上手く仕事を捌いていく能力が求められます。

病院薬剤師|薬剤師として働く業務内容

続いては病院薬剤師についての業務について紹介していきます。
主な業務は以下の通りです。 

調剤業務

調剤薬局の業務と概ね同じです。

病院薬剤師で働くとき、主に病院に入院している患者さんに対して調剤を行うため、一般的な調剤薬局よりも扱う医薬品の内容が異なります。

調剤薬局では高血圧や糖尿病などの生活習慣病や風邪薬やビタミン剤を主に扱うのに対し、病院では抗がん剤や免疫抑制剤、注射剤など専門的な知識が必要な薬剤を扱う頻度が多いです。

製剤業務

製薬会社から供給される状態のままでは十分な効果が得られない、患者さん毎のカスタマイズが必要な場合などに病院独自の製剤を調製します。

注射調剤業務

患者さんさんの状況に応じて処方された薬剤の投与量、流速、期間などをチェックし準備します。
糖尿病患者に対してはインスリンをセットしたり、栄養失調の患者に対してはビタミンやタンパク、アミノ酸を含む点滴をセットします。

注射薬混合調製業務

注射剤を混合しそのまま患者さんに投与できるよう準備する業務です。

外来化学療法室

抗がん剤治療計画書チェック、薬剤の調製、患者さんへの説明、副作用の確認、医師への処方提案等を行います。

救命救急業務

医師、看護師などと協力して、搬送されてきた患者さんの状態を見極めつつ治療薬の選択、投与量、投与法等を確認します。

迅速な投与判断や製剤業務が必要になるため、高度な知識と豊富な経験が必要です。

 医薬品情報業務

医薬品情報を収集、整理し医療従事者や患者さんなどに提供します。
主にDI室と呼ばれる場所に勤務し、病院や医師から寄せられる薬に関する問い合わせに対応します。

 治験業務

医療機関で実施する治験において、治験責任医師/治験分担医師を支援し、治験薬の保管管理や治験薬が適切に投与されているかどうかの確認等を行います。

病棟薬剤業務

入院患者さんやその家族と面談し、持参薬、市販薬/健康食品等の使用状況、アレルギー歴、副作用歴の確認を行います。

効果的な使用法、起こり得る副作用を説明したり、投与開始後の有効性/安全性の確認、退院後の生活に合わせた服薬指導などを行います。

薬剤師外来

来院患者さんから併用状況副作用発現状況サプリメント接種状況など必要情報を対面で確認したり相談に応じます。必要があれば医師など他の医療従事者に情報提供します。

その他にも他の医療従事者とチームを組んで緩和ケアや感染対策、栄養管理などに取り組んだり、薬物治療に積極的に関与することによって薬剤による有害事象を軽減若しくは未然に防止する活動に関与するなど業務は多岐にわたり、かなり高度な知識や技術が要求されることもあります。

但し病院の規模や機能、設立母体等によって業務内容や要求レベルは異なるので、ご自分の知識や技能、適性、志向、キャリアプラン等に基づいて求職先を決めた方がよいでしょう

診療所/クリニック|薬剤師として働く業務内容

診療所の薬剤師

薬剤師の中には診療所やクリニックで働く薬剤師もいます。

業務内容は施設によって様々ですが調剤業務+服薬指導の他、医薬品の発注や検品、入出庫、院内製剤調製や中には監査のみという所もあります。

事前に業務内容をしっかり確認し、自らのキャリアプラン、能力、経験に適合するかどうか検討した上で応募すると良いでしょう。

一般企業

また、人数としては少数ですが一般企業で働く場合もあります。
主に企業内診療所で働くか、薬剤師資格を活用せず一般的な従業員として働く場合もあります。

企業内診療所

企業内診療所は、福利厚生の一環として企業内に設けられた施設です。

企業内診療所薬剤師の主な仕事は以下の通りです。

・企業内診療所で発行された処方せんに基づく調剤及び服薬指導
・社内の衛生管理
・社員の健康に対する助言等

このように企業内診療所の薬剤師は、社員の健康を守るため、会社の方針に沿って活動します。業務が多岐にわたり、薬剤師の配置人数が1人である場合が多いため、経験豊富な人が望ましいかもしれません。

行政機関/保健衛生施設

薬剤師の中には、行政機関や保健衛生施設などで公務員として働く人もいます。
薬剤師免許を持ち公務員として働くケースは以下の3つに分類されます。

・国家公務員(麻薬取締官を含む)
・地方公務員

以下順を追ってご説明します。

国家公務員(麻薬取締官を含む)

厚生労働省で薬系技官が活躍するのは以下の分野です。※麻薬取締官については別項参照

薬事分野有効で安全な医薬品による病気の治療医薬品、医療機器、再生医療等製品、医薬部外品、化粧品の品質・有効性・安全性の確保麻薬・大麻・覚醒剤・危険ドラッグ等の取締り医薬品の販売制度薬剤師国家試験 など
保健医療分野地域における医療機関の連携診療報酬、調剤報酬薬剤師の職能薬価、材料価格後発医薬品の使用促進 など
食品安全分野加工食品の保存剤、香料の規制食品添加物指定、規格基準食品のリスク評価、安全監視食品中の農薬等の残留基準器具・容器包装の規格基準 など
化学物質分野日常生活における化学物質の暴露化学物質のリスク評価家庭用品の安全対策毒物・劇物の取締り など
研究開発分野新薬や医療機器の開発推進医薬品・医療機器・再生医療等製品等の研究開発の推進ライフサイエンス分野の研究開発の推進医療系ベンチャー企業の支援 など

配属先は厚生労働省の「医薬・生活衛生局」、「保健局」、「医政局」、「老健局」、「健康局」、「労働基準局」の他、内閣官房(健康医療戦略室、新型コロナウィルス感染症対策推進室等)内閣府(食品安全委員会事務局等)、消費者庁(食品表示規格化)、環境省(水・大気環境局等)、文部科学省(医学教育課等)、人事院(人材局試験専門官室)、防衛省(人事教育局衛生官付)、経済産業省(商務・サービスグループ)、総務省(情報公開・個人情報保護審査会事務局)、医薬品医療機器総合機構等バラエティに富んでいます。

麻薬取締官

麻薬取締官は、厚生労働省の地方支分部局である地方厚生(支)局に設置されている麻薬取締部に所属し、刑事訴訟法に基づく特別司法警察職員としての権限を持っています(捜査、薬物押収、逮捕が可能)

主な業務は、以下の通りです。

・薬物犯罪捜査/違法・規制薬物の取り締まり
・違法薬物使用防止のための啓発運動
・再乱用防止のための支援活動
・麻薬や危険ドラッグに関する相談対応
・不正ルートへの流失を防止するため、正規取り扱い関係者(病院、薬局)への立入検査、指導、監督
・国際薬物犯罪組織壊滅のため各国捜査機関との協力体制構築

犯罪捜査に関わるため危険を伴い、日常生活の制限を受ける事も有りますが、正義感/使命感に燃え薬剤師としての専門知識を活かしたいと考えるのであれば挑戦してみてはいかがでしょうか?

地方公務員

薬剤師として各自治体に採用される場合の主な勤務先は以下の通りです。

(1) 公立病院
(2) 保健所
(3) 行政/都道府県庁、市区町村、地方厚生局
(4) 衛生研究所
(5) 消費者生活センター

薬剤師が働いているイメージがない場所もありますが、実は薬剤師が活躍しています。

介護老人保険施設

あまり多くはないですが、病院と家庭との中間施設として社会/家庭復帰、在宅生活支援を行う介護老人保健施設に薬剤師を置く場合があります(入所者300名に対して1名)。

薬剤師に対する在宅医療参画への期待が高まる中、このような仕事があることも心に留めておいてください。

主な業務は以下の通りです。

・入所前の持参薬確認と対応
・入所時の服薬状況確認と関係者に対する伝達
・入所中の体調変化に基づく服薬量の調整、副作用への対応、効果確認
・他の医療従事者に対する情報提供
・医薬品在庫管理
・在宅移行に向け薬の管理方法検討(用法用量、調剤方法など)
・退所時に他医療機関や調剤薬局に対する医薬品情報提供書を作成
・退所時に患者さん及び家族に処方薬等の説明

まとめ

ここまで様々な薬剤師の仕事をご紹介してきました。

ご覧いただいたように多くの薬剤師が働いている調剤薬局やドラッグストア、病院以外にも、薬剤師が活躍できる場は沢山あります。

どうかご自分の人生設計、興味、経験、スキル等に合った職業を探し当て、充実した人生をお送りください。

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