地方で働く薬剤師についてどんなイメージを持っていますか？
身近に地方で働く薬剤師がおらず情報も少ないため、どんなメリットがあるか疑問を持っている人も多いかもしれません。

都会で薬剤師として働いていていると、通勤ラッシュが大変だったり、時給や給与がなかなか上がりにくかったり、色々と悩みがあるでしょう。

この記事では地方で働く薬剤師についてまとめ、実際にあなたが働くことを想像できるようにサポートいたします。
ぜひ、参考にしてください。

薬剤師が地方で働くメリット

薬剤師が地方で働くメリットを確認しましょう。
地方で薬局に務めるとどんなことがメリットになるのか確認してみてください。 

薬剤師が患者さんと深く関われる

地方薬局の経営方針としては、多くの患者さんに短時間で対応するという都市型薬局とは異なり、一人ひとりの患者さんに対してしっかりと向き合うことにあります。

地方都市では高齢者人口が高くなる傾向があるため、必然的にお年寄りの人数も増えていきます。
若い患者さんが来局されると、どうしても「早く薬が欲しい！」という方が多く、じっくり話をすることはあまりありません。

一方で、高齢者の方は自分の健康状態や体調などを伝えてくれたり、健康相談、食事相談を受けることもあるでしょう。

地方で薬剤師をやることで、薬剤師として患者さんと向き合う時間を確保することができ、対応力や薬剤師としての能力を伸ばすことができます。

薬剤師として地域医療や地域密着型薬局に貢献

地方に行くと地域医療が浸透しているため、地域全体で患者さんの健康を守っていくという流れがあります。
薬剤師は地域医療の中心として、医師や自治会と共に地域全体の健康増進に関わる機会があります。

患者さんの健康相談だけでなく、患者さんの友だちやご近所さんなど、地域に住むたくさんの人の健康を守っていきます。

例えばこんな相談もあるかもしれません。

「○○さんは最近熱があってだるいみたい」

「△△さんはこの前体調崩していたから先生見てきてよ」

こんな感じで、地域密着で患者さんに寄りそいながら薬剤師をするのも地方薬剤師としての魅力です。

薬剤師の在宅医療の活躍の場

地域によっては足腰が弱って自分一人では外出ができない高齢者が住んでいる地域もあります。
こういった患者さんに対しては、薬剤師が行う在宅医療が有効です。

在宅医療とは医師が患者さんの家で診察を行い、薬剤師が患者さん専用の薬を配達し健康状態をチェックします。
都市型薬局では在宅医療を扱っている店舗が少ないため、地方薬剤師ならではの活躍の場です。

地方で働くメリットを生活面から紹介

続いて地方で薬剤師をするメリットを紹介します。

一見すると地方での仕事は大変でメリットがあまりないように感じるかもしれません。
地方薬剤師のメリットを2つ紹介します。

・趣味が充実する
・お金が貯まりやすくなる

趣味が充実する

自然が豊かな地方都市で暮らすことで、地方ならではの趣味を充実させることができます。
海沿いの街であればサーフィンやダイビング・釣り、山沿いならトレッキングや山登りなどなどあなただけの趣味を思う存分楽しむことができます。

実際、地方に転職した薬剤師さんも海釣りを新しく始め、毎週末には朝から防波堤釣りを楽しむ方もいるそうです。
都市型薬局にはないゆったりとした時間を、自分のために使ってみるのもいいでしょう。

お金が貯まりやすくなる

2つ目のメリットはお金が貯まりやすくなることです。
地方と都会で暮らすうえで、家賃が大きく異なります。

一般的に東京で一人暮らしをする場合、1ルーム、1Kの間取りであっても10万～15万と非常に高額になる場合が多いです。駅から近かったり、日当たりなどによっては20万を超える物件も多いでしょう。

一方で地方で暮らす場合、7万円台の家賃でも1DKや2Kなど比較的広い場所に住むことができます。

同じ広さに住むなら断然地方に住む方が家賃が安く、その分お金が貯まりやすくなります。
また、物価や水道代、電気代なども安くなりますので、全体を通してお金を貯める環境が整っています。

都市部・地方薬剤師の給与の特徴

薬剤師の勤務先として都市部と地方の選択肢が存在します。
都市部では交通の便がよく、電車やバスで通勤可能ですよね。

一方で、地方となるとバスで最寄りの駅から20分かかり、さらにそこから歩いたり、あるいは自転車や車を使わないと通えない場合もあります。
薬剤師の中でも都市部で働きたいという人が多く、人気が集まりやすくなります。

地方薬局の場合、土地の魅力や交通の便などのマイナス要素が大きいと薬剤師転職希望者に感じられてしまうため、なんとかして魅力をアピールするために、給与が高めに設定されています。

地方のチェーンドラッグと小規模薬局との給与違い

地方でも多いのが、全国展開をしていない1店舗～3店舗の小規模薬局です。

特徴として住宅街の中に位置しており、地域密着型の薬局です。
こういった薬局の場合、給与的には都市部よりも若干高くなる傾向があります。

一方で、チェーンドラッグの場合、会社単位で薬剤師を募集していますので、給与については地方と都市部で差がほとんどないと言われています。

好待遇を目指して地方への就職を考えている人には不向きな職場かもしれません。
地方で待遇の良い薬局を見つけたい方は職場選びに注意が必要です。

給与面だけでなく、地方で働くメリットや特徴を理解したうえで薬剤師ライフをデザインしましょう。

地方で薬剤師として働くデメリット

地方で薬剤師の転職を考えるならデメリットについても把握しておきましょう。
地方で働く場合にはどんなデメリットがあるか順番に確認していきます。

都会と比べて暮らしにくい

都会と地方での大きな違いの一つとして、生活のしやすさが挙げられます。
地方に行くとコンビニやスーパー、銀行、郵便局など生活でよく使う施設が全体的に近くにない場合があります。

街によっては条例によって、コンビニの営業時間を短くしたり、コンビニの設置軒数を制限している場所もあります。
知らない土地で働こうと考えている場合には、生活面について事前に調べておきましょう。

交通の便が非常に不便

東京や大阪では基本的に電車やバスなど交通の便がとても充実しています。
終電も夜遅くまであったり、1時間に何本も本数があることもあります。

一方で地方の場合には終電が早かったり、バスや電車の本数が少なかったり、交通の便が悪いです。
あまりにも不便な場合には自家用車やシェアリングカーを使って、車移動が基本になることもあります。

大切なことは地方薬剤師のメリット・デメリットを確認

地方薬剤師への転職を目指すなら、地方と都会の違いを適切に理解し、メリットやデメリットなどを把握しておくべきでしょう。

転職活動を始める前には、自分の理想やどんな薬剤師になりたいか、どんなキャリアプランを描くかをしっかり決めておきましょう。

まとめ

今回は地方で薬剤師として働くイメージを持ってもらうために、地方薬剤師のメリットや特徴をまとめました。

地方であれば、地域密着型の薬剤師として、患者さんに寄り添いながら地域医療への貢献や在宅医療など幅広く活躍できるでしょう。

また、お金が貯まりやすかったり、趣味の時間を楽しめたりたくさんの良いことがあります。
転職をするときにはしっかりと情報を集めて、自分の納得のいく転職を成功させましょう。